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1.11 軸系アライメント
軸系アライメントとは、軸系装置で軸のたわみ、軸受荷重などを考慮した軸系の据付け配置を言う。軸系が直線となるような軸受配置(ストレートアライメントと呼ぶ)および各軸受の位置を上下に調整して、軸受荷重の分散配分を考慮した軸系配置(オフセットアライメントまたはスロープアライメントと呼ぶ)とがあるが小型船の場合は一般にストレートアライメントが採用されている。
1.12 軸系強度に関する規則
軸系の強度即ち中間軸径、プロペラ軸径、継手フランジの厚さ、カップリングボルト径などは船舶の主要部品であるので、船舶機関規則などによって、それらの最小要求値の算定式が規定されている。それらの計算式については、船舶機関規則を参照することとし、ここでは軸系の強度に関する考え方について述べる。
1)中間軸
中間軸は、主機関出力によるトルクおよび軸の自重による静的曲げモーメントのほかねじり振動、縦振動などの振動に対して十分なる強度を有するものでなければならない。静的曲げモーメントは中間軸受の間隔を適当にとれば、無視しても差しつかえないものである。一般に中間軸径はディーゼル機関の場合は、船舶機関規則の計算式で算出した値に対して、ねじり振動の付加応力を考慮して、軸径を増大する場合が多い。
2)プロペラ軸
プロペラ軸の径は船舶機関規則の計算式によって規定されている。プロペラ軸の後端には、プロペラが装備されるので、主機関から伝達される静的および変動トルクやプロペラ軸の自重およびプロペラ重量による静的曲げモーメントの他にプロペラが発生する種々の変動力および変動曲げモーメントが考えられる。しかし、プロペラが発生する種々の外力などは様相が非常に複雑であるので、プロペラ軸径は静的伝達トルクをもとにし、プロペラの取付構造の違いにより決定される。
3)軸継手および軸継手リーマーボルト
ー般に軸継手には軸と一体で鍛造されるか、または組立型軸継手が使用されているが、軸継手のフランジの厚さ、フランジの根元の丸味半径、軸継手リーマーボルト径などは船舶機関規則によって計算式が規定されている。
4)船尾管軸受および張出軸受
船尾管軸受および張出軸受はプロペラの重量を支えるので、軸受の構造については船舶機関規則により規定されている。海水潤滑軸受あるいは、油潤滑軸受の形式の違いにより軸受長さが規定されており、更に油潤滑軸受の場合は軸受内部の油の温度の確認する装置および重力タンクの低油面警報装置などの設置が規定されている。
5)プロペラ軸スリーブ
海水潤滑方式の船尾管の場合3・10図に示すようにプロペラ軸に青銅スリーブが焼ば

 

 

 

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