生した電流はプロペラを経由してプロペラ軸スリーブから船体に流れるが、リグナムバイタ軸受またはゴム軸受は電気抵抗が大きいので、比較的電気抵抗の少ないグランドパッキンまたは端面シール部から多く流電し、その際プロペラ軸スリーブの電蝕が発生するものと考えられる。この現象を防止するため3・29図に示すようなスリップリングとブラシを持った軸アース装置(軸短絡装置)を設けることによって、プロペラ軸と船体を常に電気的に短絡させることができる。従ってプロペラ軸と船体間の電気抵抗は低減され、防蝕電流はアース装置を通って流れるのでグランドパッキンまたは端面シール部からの流電は防止される。
3・28図 防食電流回路
3・29図 軸系アース装置の一例
1.10 軸傾斜(軸レーキ)
軸傾斜とは船体の基線に対する軸系基準線(軸心)の傾きで、船体側面(べ一スライン)に対する軸傾斜と船体平面(船体中心線)に対する軸傾斜とがある。多軸船の軸系の場合、軸傾斜は一般に付くことがある。
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