なおプロペラボス内部をグリースで潤滑している型式のものでは、この重力油タンクは不要である。 3.4 取扱い法
1)日常の取扱い (1)主機関を始動するとき ?変節油タンクやシフタの油面を確認する(油面がゲージ基準線より低下していると作動不良、発熱などの原因になる)。 ?最近のものは日常の手数を省くために、始動または停止時に開閉しなければならないようなバルブやコック類は設けられないのが普通であるが、特に油管系中にあるバルブやコック類には注意して、油回路が閉じたままで変節油ポンプを始動してはならない。 ?始動あるいはクラッチ嵌入は中立状態(プロペラ推力が零になる翼角)で行うことを習慣づけること。 ?主機関を始動する前に変節油ポンプをまわして変節作動を確認した方がよい。 (2)日常運転中 ?急激な変節はなるべくさけるべきである。通常可変ピッチプロペラと直結した主機には負荷制御装置がついているため、例えば、前進全力から瞬時に後進全力にすると、回転速度が著しく下り、船体ならびに機械類が激しく振動するので、危急の場合を除いては、こういう変節はさけることが望ましい。 ?油ポンプおよび油圧に注意すること、変節作動の原動力となる油ポンプは、各製造所とも非常に信頼性の高いものを使用しているのでほとんど故障はないが、日常時々その音響と油圧(各製造所によって多少異なる)に注意する。 ?芯出し不良は発熱、振動の原因になるばかりでなく、摺動部損傷の原因ともなるので各部の温度に注意すること。 (3)重力油について 重力油タンクよりプロペラボスヘの油は、船がドックした時以外は常に与えておく必要があり、重力油タンク出口弁および船尾軸受(重力油供給軸受)入口弁は常に開
け、時々重カタンク内の油量を確め一定量まで減った時には、ポンプより補給してやる必要がある。重力油供給軸受のパッキンが摩耗してくると重力油が早く変節用タンクに戻るようになるので、時々点検してみる必要がある。 (4)使用する油について 変節装置に使用する油やグリースには作動に適当な流動性と潤滑性が必要である。 変節装置の構造により使用油種が異なることがあるので、製造所の指定する油または相当品を使用するのがよい。 タンク内に清掃不良のまま油を入れると、この不純物が油圧系統へ入るので、タン
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