失が増えて、熱効率が下がり出力が低下する。 これらの模様は1・15図に示す噴射時期の遅早を調べる手引線図によって明らかである。 1・15図 噴射時期の遅早による手引線図の比較
6. 舶用機器に使用される材料
舶用機器に使用される材料は、強度、耐摩耗性、耐熱性、耐腐食性、耐震動性等が要求あるばかりか、使用される場所によって材質の指定や材料検査を義務つけられたものが多くある。 また、前に述べたようにSI単位の導入により、今まで使用されてきた材料を表示する記号も変わるものもでてきた。 よって、ここでは各機器に使用される主な材料に就いて説明をする。
6.1 SI単位導入による材料記号の表示について
従来は、丸材、角材や六角材等に通常使用されている一般構造用圧延鋼の材料記号は〔SS41〕と表示されていたが、最近では〔SS400〕となっている。同様に、シリンダヘッドやシリンダ等に使用されている鋳物の場合も〔FC15〕や〔FC25〕の表示が〔FC150〕や〔FC250〕となっている。 また、みがき棒鋼を例にすると従来は丸材は〔SS41B-D〕、六角材は〔SGD41-D〕と分けていたものを、変更と同時に統一して〔SGD400D〕としたものもある。 しかし、丸棒や軸として使用される機械構造用炭素鋼は従来のままで〔S35C〕や〔S45C〕で変わっていない。 この理由は、例えば〔SS41〕の場合を説明すると、従来単位でこの材料の引張強さは41〜50kgf/mm2であったため、この最低引張強さの41kgf/mm2を表示していた。SI単位の導入により、1kgf/mm2は簡易換算で9.8N/mm2となるため、4kgf/mm2を換算すると41×9.8=401.8N/mm2となりこれを400に丸めて、記号が〔SS400〕と変わった。鋳物の場合も〔FC25〕は従来単位で最低引張強さが25kgf/mm2であるため、同様にSI単位では25×9.8=245N/mm2を250に丸め〔FC250〕とした。 しかし、前述の材料記号の変わっていない〔S35C〕は、表示の35が引張強さでなくて、材料に含まれる炭素(元素記号:C)の量0.32〜00.38%から真ん中の0.35%を35として使
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