2)正味熱効率(ηe) 実際に機関から得られる有効仕事(We)は図示仕事(Wi)から各運動部分の摩擦や弁、ポンプその他装置を動かすに要する仕事を差引いたものであり、此れに関する熱効率を正味熱効率と云い次式で表される。 機関に供給した総熱量(Q)は、燃料の燃焼により発生するから、燃料の低位発熱量Hu Kcal/?、燃料消費量B?/Hrとすると1時間の熱供給はHu×Bkcalとなる。これによって発生する正味馬力(BPS)をNe(PS)とすると、此れらの間には次式で示す関係が得られる。 3)機械効率 正味熱効率はいくら良くても図示熱効率以上に良くすることはできない。また正味熱効率が悪い場合、図示熱効率が悪いのか、機械損失が多いのかを明らかにするため次式で定義する機械効率(ηm)を用いる。 機械効率は主として機械内部の摩擦の多少に関係するもので、図示馬力と軸馬力との差は機械の摩擦や補助装置の運転に費されるもので此れを摩擦馬力(FPS)と云う。 摩擦馬力(FPS)=図示馬力(IPS)軸馬力(BPS)以上それぞれの効率の間には、次式で示す関係がある。 正味熱効率(ηe)=図示熱効率(ηi)×機械効率(ηm) 5. ディーゼルエンジンの燃焼
5.1 燃焼過程
ディーゼルエンジンにおいて燃焼が正常に行われているときの燃焼は次の4段階に分けて考えることができる。
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