最大出力とは、その機関が出しうる瞬間的な最大出力を云うが、一般的には定格時間の取り方によって異なっている。舶用主機ディーゼル機関の場合は通常1時間(連続)定格出力をもってその機関の最大馬力としていることが多い。JISによれば15分間の連続定格出力をもって最大馬力として表示できるようになっている。 負荷許容最大出力とは、メーカが製品の品質保証をする限界の許容しうる過負荷出力及び回転数であり、許容限度以上の出力及び回転数で運転できぬように燃料噴射量ならびに回転数を封印セットしている。又小形主機関の場合、その機関の使用環境条件を加味して軽作業、中作業、重作業に区分して封印セットしている場合もある。作業区分の考え方の一例を1・10表に示す。 1・10表 作業区分
検査船に用いられる舶用ディーゼル機関の過負荷出力及び回転数は通常連続定格出力を100%負荷とし、110%過負荷出力をもって燃料噴射量の制限をしなければならない。 さらに過速度最大回転数は100%負荷回転数の120%を超えぬような制限装置を持つよう義務付けられている。 4.3 熱効率と機械効率
機関の熱効率とは、仕事に変えられた熱量と機関に供給した総熱量の比で表される。供給熱量は燃料の燃焼により発生する熱量であり、普通は0℃において一定体積の下に燃焼した時の低位発熱量を用いる。 1)図示熱効率(ηi) 燃焼ガスがシリンダ内でピストン上面にする仕事を図示仕事(Wi)と云い、これに関する熱効率を図示熱効率と云い、次式で表される。
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