3. ディーゼルエンジンの作動原理
3.1 ディーゼルエンジンの作動原理
空気を圧縮するとその圧力と温度が上がる。
この熱が外部に伝わる時間が無いくらいに急激に圧縮(断熱圧縮)すると、その圧力と温度は急激に上昇する。この高温高圧になった空気の中へ燃料(重油または軽油)を燃焼し易い霧状にして噴射すると、たちまち着火して爆発的に燃焼し、温度と圧力は更に急激に上昇する。この力を動力源とし、ピストンとクランク機構とを組み合わせた原動機がディーゼルエンジンである。
1・7図では、圧縮前の温度が高いと、圧縮後の温度は著しく上がり、一方燃料は圧縮力が高まると、その着火温度が下がって早く着火する傾向のあることを示している。 1・7図 吸気の圧縮力と圧縮温度
3.2 ディーゼルエンジンの作動
空気を圧縮しそれによって燃料を燃焼させ、この圧力と温度を動力源とするのがディーゼルエンジンであるが、その動作の組み合わせはどのようになっているのか、そしてそれがどのように継続されるのかを考えてみる。それぞれの動作に必要な用語も含めて説明する。 1)行程(ストローク)とサイクル 行程とはピストンが動く距離のことで、立形のときはピストンが最上位から最下位にまたは最下位から最上位に動く距離をいう。従ってエンジンが1回転すると2行程(ストローク)、2回転すると4行程(ストローク)動いたことになる。 毎回同じ作動を幾つか繰り返してある大きな仕事をする場合、ある点を起点として再び同じ起点に戻ってくるまでの一回りの事をサイクルという。 例えば時計の針が1時から始まって2時、3時と廻り1時にかえってくると再び1時から、これをくり返す。この1時を起点とした1時までの一巡を、サイクルと解することができる。このように同じ動作をくり返す一巡のことをサイクルと言う。 2)4サイクルディーゼルエンジンの作動 ディーゼルエンジンも他の内燃機関と同じく、吸気、圧縮、膨張、排気の4つの動作をくり返して行う。
従ってこの4つの動作が終れば、エンジンは1サイクルを完了したことになる。この1サイクル中の4つの動作の内1つが欠けても、エンジンは運転を続ける事が不可能になる。 そしてひとつひとつの動作の能力がエンジン全体の能力を左右する。4サイクルエン
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