ているので、式(19)より、

となり、大きい試験片の破壊応力の方が小さいことがわかる。これを相似形試験片の寸法効果という。大きな実構造物の強度を、模型試験片を使って調べる場合にはとくに留意しなければならない現象である。つぎに、同じ長さの亀裂が試験片の表面と内部に存在するときには、破壊応力にどのような違いが現れるかを見る。17図に示すように、半無限板の表面亀裂と無限板の内部亀裂に対して、それぞれ、β=1.12、β=1であることを用いると、破壊応力の比は

となり、表面亀裂の破壊応力の方が小さい。これを表面効果という。表面に存在する亀裂の方が危険である。そのため、表面を硬化するなどして、強度を上げることはしばしば行われている。


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