くなり軸スリーブ摩耗を生じやすい。従ってパッキン取付時には手前から奥まで面圧がなるべく一様になるように努める必要がある。次にパッキン取付時から運転時までの要点を順を追って述べる。
(イ)パッキンの切断は軸外周に巻付けて、パッキン厚さの1/2程度長目に切る(7・5図参照)。そしてばらばらにならないように糸でしばる。
(ロ)パッキンはパッキン箱の寸法に合ったものを使用すべきであるが太さの調整が必要な場合でもハンマー等で叩いてはならない。
(ハ)パッキン挿入時には、切口を120度ずつずらして合せ面を突き合わせて外周に張らすようにして一番奥から1本ずつ木片を当てて、軸になじませながら圧縮していく。
(ニ)進水時にはグランドを取付け、ナットを掛けて指で一杯に締めた後、片締めにならないようにスパナでパッキン箱深さの5%を目安に追締めする。
(ホ)進水後、漏れの状態を見て徐々に増締めする。い航海中は少しずつ締付け、一度増締めすると15〜30分ぐらいは様子を見る。漏洩量は軸径にもよるがパッキン摺動部の潤滑、冷却の点から5〜10l/Hを目安に調整するとよい。
1.2プロペラの摺合わせ……(メーカーから現地へ直送の場合)
(1)メーカーから直送の場合は摺合わせが必要である。
当りは75%以上を確保すること。
(2)Oリング、パッキンの締代が充分かどうか点検すること。

7・5図パッキンと軸との接触面圧及び切断例
1.3プロペラ取付上の注意事項
(1)浸水防止のためゴムパッキンは必ず規定のものを使用すること。
(2)プロペラナットの締付面にまくれ等がないことを確認すること(浸水の原因となるので)。
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