2)シリンダライナ
シリンダライナは、シリンダヘッド、ピストン、ピストンリング等とともに燃焼室を形成する部品の1つで、機能の面からも耐久性の面からも非常に重要な部品である。シリンダライナの摩耗は、機関の分解整備間隔を決める大きな要因になるので、シリンダライナに耐摩耗性をもたせることが重要になる。耐摩耗性を向上させる方法としては、
?摩耗に強いパーライト鋳鉄やボロン、リンなどを含んだ合金鋳鉄を使用する。
?シリンダライナ内周面に多孔性の硬質クロムメッキを施す。
?その他の表面処理。
シリンダライナ内周面は運転状態での気密性を損なわぬよう、真円度、平行度が必要で1例を挙げると、シリンダ内径100mm前後に対し、楕円、テーパともに0.02mm以下が望ましいとされている。
シリンダライナ内径の摩耗はガスもれによる性能低下、潤滑油の汚損や潤滑油消費量の増加等運転時、不具合を生じてくる。
一般にライナの摩耗量がシリンダ径の約0.5%以上に達した場合交換する必要がある。
スリーブレスの場合はオーバーサイズに加工し使用する。
(1)点検および整備
3・2表シリンダライナの点検、整備による。

前ページ 目次へ 次ページ