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野外飛行の練習
モーターグライダーによる野外飛行の練習には、まず、機体を野外飛行向きにしなければならない。専用周波数のUHFのほかに、VHF無線機とかトランスポンダーも搭載したい。計器は、トータルエナージーのついた昇降計のほかに、マックレディーリングのついた昇降計も必要である。モーターグライダーのエンジンをストップして、マックレディーリングを使ってサーマルからサーマルへ伝わって飛行すれば、グライダーと同じ状態で野外飛行をすることができる。
このようなとき使う自記高度計は、モーターグライダー用のものを使用する。高高度飛行の可能性のあるときは、インク式のものでなく、ススをぬったアルミはくを用いる。
もしも、途中で高度が下がり、エンジンを再スタートするときには、少なくとも、300m以上の高度で行う。再スタートすれば、それまでの飛行は無効になるが、次の計画を立てるためにも、早目に再スタートのチャンスを選ばなければならない。
モーターグライダーによって盲目飛行をしようとするときには、人工水準儀をとりつけなければならない。大きい積雲とか、小さい積乱雲を利用して飛行することは、充分に考えられる。それには、人工水準儀の取り扱い方や、盲目のままで旋回や直線飛行をして、コンパスと人工水準儀で保針できるように、事前に経験すべきである。これも、モーターグライダーでなければできない練習法である。
以上の手順を繰り返すことにより、多くの経験と知識が得られる。
なお、モーターグライダーを多目的に使うことにより。いろいろな気象状態に対しての対応や、広範囲な野外飛行によって、土地感が養われる。ちょうど、井戸の中で育ったカエルのようなグライダーマンが、モーターグライダーによって、大海の味を知るようなものである。

 

モーターグライダーでも滑空記章がとれる
日本滑空記章(A,B,C、銅章)やFAI国際滑空記章は、一般にはグライダーで行うがモーターグライダーでも飛行試験が受けられる。FAI(国際航空

 

 

 

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