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は、地面の上なので冷静に判断できるばかりでなく、何か別の基準に基づいている。それは、2−57図に示すとおり、水平線からの距離をなんとなく基準にしているのである。
地上での目測は、2−57、58図のように、機体と地平線との距離と高度の比、すなわち、AまたはBの長さ(角度)によって判断する。AまたはBの長さ(角度)によって一つの点のように見える遠い機体でも、その機体が飛行場に充分帰り着くことができるのか、できないのかが判定できる。
地上と同じような冷静な考えに基づいて、機上から地上を見ると、それは次の2−59図のとおり、水平線に対して、まったく反対の対称的な関係になっている。A機のパイロットが地上を見ると、2−59図(a)のAの長さとなり、B機のパイロットが同じように地上を見ると8の長さとなる。要するに、地上から見たAの距離(角度)と機上から見たAの距離(角度)は、まったく同じ長さになる。同じようにB機の場合も同じようになる。
また、機体の位置が飛行場のどの位置にあっても、同じようなことになり、2−32,34図のアプローチの距離sは、これを表わしたものである。この距離sは、前に述べたように、風速に関係するので、指導者は練習生に対して、風防から見える目安を充分教えなければならない。ウインチ曳航中の索切れやエンストのときでもこれを充分につかんでいれば、あわてずに処置できるケースが多い。
この指導法は飛行中でもできるが、地上に滑走路を描き、次のような方法で練習することも有効である。

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