日本財団 図書館


 

4. 目測(目安)

基本になる考え方
前述した飛行コースの説明の中に、目安(目測)ということばがときどき出てくるが、それについて誤解のないように、ここで説明しておく。
飛行している自機の一部を利用して、自機の着陸する地点を事前に正確に知ることを、目安といっている。この目安、グライダーにおける目測は、グライダーの操縦技術の中で重要な部分とされている。突発的な事故、野外着陸はもちろんのこと、平常の練習飛行においても、常に重要な部分である。
動力付の航空機だと、時間をかけて地上の状況を充分調べ、よく準備して着陸コースに進入することができ、また、目測の判定等の不具合のときには、再び上昇してやり直すことができる。しかし、グライダーではそれはできない。時々刻々と高度は下がり、調査や心の準備なしに着陸コースに進入せざるを得ないので、飛行機よりもはるかに多くのむずかしさを含んでいる。従来の目測では、自機の一部を利用せず、練習中の着陸回数の増加によって、習慣的に機械的に、地上目標を頼りに場周飛行を行ったようである。それで自然のうちに感を養成し、たとえば2−54図のように、飛行場の着陸コース付近の地形や、高い樹木・電柱・鉄塔等を補助的な目安としたのが普通の練習方法であった。
このような方法での練習は、その飛行場だけに通用するもので、他の場所にはほとんど通用しない。特に、野外着陸の場合には、ぜんぜん役に立たないと
考えてよい。
別の例としては、凹凸のある地形または2−55図のような盆地・台地や傾斜面での野外着陸の際の目測は非常にむずかしく、熟練者でも時には失敗する。それは先にも述

073-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION