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2. 防除作業要領

海上に排出された油は、気象、海象等の自然条件の影響を受けて、急速に拡散し、時間の経過とともに広範囲に汚染が拡大する。このため、排出油の防除作業においては、損傷箇所の修理等引き続く排出を最少にするための措置を適確に実施することが最も重要であるが、海上に排出された油に対しては、まずオイルフェンスを展張して油の拡散を防止し、次に油回収船又は油回収装置、回収ネット、油吸着材、油ゲル化剤等を使用して排出油を回収する事が一般的な方法である。又、流出現場や流出油の状況によって、上記の方法による油の回収が困難な場合は、油の分散消滅を早めるため、油処理剤による化学的処理方法がとられる。

 

(1)排出防止措置
排出事故が発生し、又はそのおそれがある場合には、引き続く油の排出を防止するために、損傷箇所の修理、ガス抜きパイプの閉鎖、船体の傾斜調整等の措置を行うほか、破損タンク内の油を他のタンクや他船等へ移送する等の措置を行う。

 

(2)排出油の拡散防止
排出油事故が発生した場合には、直ちに排出源付近の海域にオイルフェンスを展張し、排出油を包囲し、拡散を最小限にとどめる事が重要である。
オイルフェンスを展張する際には、排出油事故の規模及び態様、排出油の拡散状況、気象・海象、付近海域の状況等を十分検討した上で、オイルフェンスの展張位置、展張形態、展張量についての計画を定め、迅速に作業が実施されるように努める。

 

 

 

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