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4. 魚類

伊勢湾は、魚介類の宝庫であり、多数種の魚介類が生息している。
シロギス:通常、キスと言えばシロギスをさす。主として内湾の砂底に生息し、海底から30cm位のところで流れに向かって集団で遊泳する。時には砂に身をかくし、外洋には出ない。産卵期は7月〜8月である。
メバル:卵胎性で交尾期は、晩秋〜冬である。カサゴなどと同様、雌の体内に入った精子は卵巣近くで約2ヶ月間、卵が熟するのを待ち、雌の体内で艀化した稚魚は翌年の初春、体外に吐き出される。
一生を通じてすみかを変えず、6cm以下の稚魚は沿岸の藻場で小動物をとる。夏〜秋にかけて、10cm以上になると藻場を離れ、岩礁の磯に生息する。
ギンポ:水深3〜10mの岩礁の間に身を潜め夜間、餌を求める性質がある。11月から翌年1月にかけ、海藻に産卵し、雄は卵塊を体で巻いて保護する。
マダイ:3年〜4年で成魚になる。毎年春に産卵のため沿岸に近づくが、この時の体色はピンク色で美しくサクラダイと呼ばれることもある。
イシダイ:沿岸の暖流や黒潮が洗う荒磯に生息し、春夏には水深50mほどの海藻の繁った岩礁地帯の底近く、タナ状に突き出した岩陰・岩礁の裂け目に溜む。産卵期は4月〜7月、外海に面した沿岸近くの浅場で日没前後の数時間内に産卵する。
サッパ:沿岸に生息し、かなりの群れを形成する。5月〜6月頃内湾で浮遊性の卵を産む。鍋田干拓地の沿岸部では10月頃まで釣れる。
アイナメ:沿岸の5〜50mの浅海の海藻の間に生息する場合が多い。産卵期は9月〜12月で粘着卵を産み、雄がその卵を保護している。

 

 

 

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