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2. 哺乳類

伊勢湾及び、三重県沿岸海域に生息する哺乳類は、スナメリだけである。スナメリは、ペルシャ湾から束南アジアを経て、富山湾仙台湾まで分布する沿岸・内湾性の小型鯨類であり、体長は80〜180cmであるが、200cmの個体もある。伊勢湾内での繁殖は、3月〜6月初旬が新生児の誕生時期であり、4月にピークをむかえる。一産一仔であり、授乳期間はおよそ11ヶ月である。食性は主に小型の群遊魚を好み、アジ・サバ・コノシロ・イカナゴ・イワシ類及び頭足類のイカ類、その他低楼性の甲殻類も食べる。
1991年〜1994年の27ヶ月間に8回にわたり9ヶ月をカバーする目視調査によれば、表面水温が6〜28℃の季節変動を示すなかで周年発見され、水温耐性が大きい。
伊勢湾に於いては湾奥部に極めて少なく、湾央・湾口部に偏っている。4月〜6月が最高で、10月〜12月が最低である。この調査に基づいたシミュレーションの結果4月〜6月の個体数を948頭と推定した。
[専門家連絡先]
南知多ビーチランド 0569−87−2000
三重大学生物資源学部 0592−32−1211
【資料】
平成6年度 日本水産学会秋期大会
*伊勢・三河湾におけるスナメリ目視調査と分布概要
*伊勢・三河湾におけるスナメリの密度とその季節変動
日本生物教育会第49回全国大会三重大会
*記念誌「三重の生物」 1994年8月 三重生物教育会発行

 

 

 

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