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3.3.1 データベース仕様に関する課題
既に述べたとおり、地理情報システムを用いた電子センシティビティ・マップシステムを構築するに当たっては、あらかじめデータベースの仕様及び目的を明確にしておくことが重要である。
一口にデータベース仕様と言っても、その意味するところは幅広い。本節ではデータベース仕様に関する今後の課題について、いくつかにグループ分けして述べることとする。

 

(1)入力情報の種類の選定
データベースにどの様な種類の情報を入力するかは、そのデータベースの性格を決める上で非常に重要な要素となる。
情報マップの電子図化に当たっては、自然環境、社会・経済活動及び流出油防除に関する情報など、ユーザーが必要とする多岐にわたる膨大なデータを取り入れてゆく必要がある。その際、収集されたデータを計算機の記憶機能にまかせて無造作に取り入れるのではなく、システム設計の段階であらかじめデータベースの利用目的を明確にした上で、それに見合った情報を取り入れることにより、データベースの性格を確定させることが必要であると考える。
即ち、データベースの設計に際しては、利用目的を勘案の上、あらかじめ全体像を掌握したシステム作りを心がけるべきであると考える。入力情報の種類を増やせば増やすほど、システムの運用・維持に要するコスト面での負担が増加するほか、データベースの性格が本来意図していたものからかけ離れることも懸念される。
したがって、センシティビティ・マップの本格的な電子図化に当たっては、今回の調査を通じて明らかとなったシミュレーション機能の付加などの様々なメリット及びユーザーのニーズを踏まえた上で、明確な利用目的を事前に確定させておくことが今後の課題の一つであると言えよう。

 

 

 

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