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3.1.4 情報の有用性(機能)の向上
地図情報の数値化を行うことにより、今まで実現不可能であった概念、機能及び付加価値が実現可能となった。その例は無数にあると言っても過言ではないが、代表的なものをいくつか述ぺることとする。
(1)シミュレーション機能の付加
例えば、センシティビティ・マップの場合には、油による汚染に対して脆弱な指標(センシティビティ指標)を把握する情報図としての本来の機能に、流出油の拡散シミュレーション機能をつけ加えることにより、マップの利用価値をさらに高めることが可能となる。
即ち、計算機を用いることにより、油流出事故の発生場所、発生時刻、規模、油種、風向・風速、海潮流の状況、気温・海水温度等の諸データをもとに、その後のセンシティビティ指標に対する被害予測をシミュレーション(模擬訓練)することも可能であり、数値化したセンシティビティ・マップの有効利用方法の一つとして大いに期待できる機能である。

 

(2)インタラクティブ性の向上
従来利用されていた紙地図は、一方向のメディアであり、我々に対して一方的に情報を提供する手段にすぎなかった。
一方、ディジタルメディアの場合は、あらかじめシステム化することにより、ユーザーが必要とする時に必要な情報を最小限の手数で引き出せるような「仕掛」を施しておくことが可能となる。
即ち、このようなシステムは、ユーザーがデータベースと会話しながら必要な情報に容易にたどり着くことができるようなガイドラインとしての機能を有するものである。言葉を変えれば、数値地図がインタラクティブ性を持ったということであり、数値地図の利用価値を高めた例の

 

 

 

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