
3. センシティビティ・マップの電子図化
3.1 地図情報数値化の意義
本節では、地図情報を数値化して蓄積することによって生じる様々なメリットを整理して述べることとする。地図情報を数値化することの意義は、情報の価値が以下のように向上することにある。
3.1.1 情報量の向上
地図情報を数値化することにより、記録可能な情報量を飛躍的に増大させることができる。これは、印刷図(紙マップ)上に記載されている情報量と計算機内のデータベースとを比較することにより、容易に理解することができる。
印刷図の場合は、限られた面積しか持たない紙の媒体であるという点で、紙面に記載可能な情報量には限界がある。即ち、印刷図の場合には、必要な情報を盛り込めば盛り込むほど紙面が繁雑になり、ユーザーの利便性を著しく低下させる。
一方、メディアの大容量化及び計算機の処理能力の増加等による最近の計算機技術の進歩により、データベース内に記述可能な情報量は飛躍的に増大している。データベースに情報を入れておくことにより、出力時には、その中から必要なものだけを取捨選択、即ち一種のフィルタリングをかけて出力することが可能となる。したがって、地図情報のデータベース化が、膨大な情報処理の壁を打ち破る最適な方法であることは論を待たない。
さらに、従来は同時に記録することが不可能であった多様な情報を、相互に関連づけて記録することが可能となり、情報の質が一段と向上するというメリットも発生する。
3.1.2 情報の質及び精度の向上
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