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ってきている。

 

2.1.5 海外におけるセンシティビティ・マップ事例
海外で既に活用されているセンシティビティ・マップの多くは、主として米国のESマップをひな型として作成されている。
即ち、フランス、ドイツ、イタリア、ナイジェリア、クエート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、マレーシア、ニュージーランド、パナマ、南アフリカ及びモーリシャスなどの国々では、センシティビティ・マップの作成事業に対して何らかの形で米国による技術援助または技術指導が行われてきた。
これらの国々では、自国の事情及び沿岸域の特性などを考慮のうえ、ESマップを基本としたセンシティビティ・マップの整備・普及を行ってきた。各国のセンシビティ・マップは、いずれも油防除活動の際に有効な基礎資料となることを主な目的としている。また、油汚染による被害に対して脆弱性が高いと認められる環境要素(センシティビティ指標)を抽出し、汀線形態、生物資源及び社会・経済的活動などに整理・分類したうえで、地図上に簡略な記号を使用して記載する形式をとっている。
各国のセンシティビティ・マップの整備エリアに関しては、カナダ及びドイツなどのように主要なタンカールートあるいは油田地帯など、流出油事故の危険性の高い沿岸域に限り整備を行っているケースがある一方、米国などのように自国の沿岸域の全てを対象とした整備を行っているケースもある。
以上のように、一部の国々では、既に0PRC条約の発効以前に、沿岸域における油に対する脆弱性が高い環境要素を集約したデーターベースとしてセンシティビティ・マップの整備・普及が行われており、油防除活動のプライオリティを決定する際の基礎資料として、あるいは多くの組織間の情報交換の媒体としての機能が期待されている。

 

2.2 センシティビティ・マップに関する基礎調査の実施
2.2.1 調査概要
1993年(平成5年)、当協会は日本財団の支援を受け、海洋汚染防止に関する調査研究事業の一つとして、センシティビティ・マップについての基礎調査を実施した。本調査は、既に世界各国で整備・普及が進められているセンシティビティ・マップについて、わが国沿岸域への活用のあり方など

 

 

 

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