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2. 地方港におけるコンテナ化の取組み状況

2-1. 地方港をめぐる状況
近年、国土の均衡ある発展、地方圏の活性化に向けて、高速交通網の充実、地方港湾整備が進展した。一方、荷主や物流事業者においては、ここ数カ月は円安傾向が見られるものの90年代に大きく進展した円高、さらには近年の景気後退局面において、物流コスト削減への取り組みを進める中で、とりわけ、国内輸送コストの削減に向けて、消費地あるいは生産地に近接し、港費の安価な地方港利用が進展した。加えて、円高によるわが国の産業構造の変化、製造業等の海外移転と逆輸入が進み、これとも関わって、在来貨物のコンテナ貨物へのシフトが進展、また、東南アジア諸国の経済成長に伴いわが国との貿易が拡大していった。このように、地方港をめぐる状況は、近年、大きく変化した。
こうした状況のもとで、多くの地方港においては、「新たな貨物の獲得」をコンテナ貨物に求め、コンテナターミナル(CT)整備と外貿コンテナ定期航路の開設を進めた。とくに、平成7年初頭から平成8年上半期にかけては、外貿コンテナ定期航路開設件数はピークとなり「地方港元年」と形容される状況を呈するに至った。

 

2-2. CT整備に係る段階的・包括的取組み
地方港におけるコンテナ化は、概ね、下表に示すような段階を経て実現している。

 

(第1段階)
地方港の港湾管理者は、貨物誘致・航路開設のために、潜在的コンテナ貨物需要を踏まえた港湾運送事業者等の要望を考慮しつつ、ターミナル施設・機器の整備を先行している。また、ポートセールス(PS)等を推進するため官民協力体制の構築を実施している。

 

(第2段階)
CT整備の見通しをもちながら、海外ポートセールスの展開による航路開設(千葉港、川崎港)、在来埠頭での外貿航路の先行的就航(大分港)などの取組みにより、外貿定期航路の就航を実現している。
特に、千葉港においては、平成5年に、千葉港中央地区ポートセールス推進協議会を設立し積極的な航路・貨物誘致に取組み、航路誘致については、年1〜2回、香港、シンガポール、韓国、台湾、中国等でのセミナーを開催し、貨物集荷については、国内船社・荷主を対象に年間400〜950社に訪問セールスを実施している。

 

 

 

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