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はしがき

 

本報告書は、日本財団の平成8年度の補助事業として実施した「大阪圏における都市鉄道の混雑緩和方策のあり方に関する調査研究」事業の成果を取りまとめたものである。
通勤・通学時の混雑緩和対策は、大都市交通の抱える最大の課題の一つであり、都市鉄道事業者にあっては、今日まで巨額の経費を投入し、運転間隔の短縮や列車の車両増結及び駅の改造工事を実施してきた結果、混雑率は緩和方向に向かっているものの、依然として一部混雑区間における車内混雑の状況は通勤・通学者等にとっては大変な負担となっている。このため、快適通勤等の実現に向けた需要面からのアプローチの早期実施が求められており、その方策について早急に調査研究を進めることが必要となっている。
大阪圏の都市鉄道のラッシュ時の混雑率は、近年の輸送力の増強から、着実に低下し、目標である150%に近づきつつあるところである。しかし、一部の路線等においては依然として混雑率が高く、輸送力の増強も限界に達している状況にあり、時差通勤の推進によるラッシュ時の混雑緩和策が求められている。
本調査研究は、大阪圏で最も混雑の激しい大阪市営地下鉄御堂筋線(1号線)をモデル路線としてモデル路線及び接続路線における鉄道通勤・通学の実態把握、混雑発生要因の分析及び時差通勤施策推進に係る問題点の抽出、時差通勤施策推進の効果推察等を行い、これらを通じて、今後の時差通勤等施策推進についての提言をとりまとめたものである。
本調査を実施するにあたり、ご指導を賜った調査研究委員会委員長 大阪市立大学教授 伊勢田穆氏、副委員長 神戸大学助教授 正司健一氏をはじめ委員各位に厚くお礼申し上げるとともに、アンケート・ヒアリング調査にご協力頂いた関係者の皆様方に厚くお礼申し上げる。

 

平成9年3月
財団法人 関西交通経済研究センター
会長 小林庄一郎

 

 

 

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