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れるものと考えられ、就業機会についても拡大するものと期待される。
(3)地域全体に対する効果
物流業は地域の産業の高度化・活性化を側面的に支援することから、物流拠点が近畿圏の各地域に適切に分散配置されることにより、近畿圏内の地域産業の育成が期待されるとともに、近畿圏全体としてトラック輸送のトリップの削減による交通混雑の緩和等が図られるものと考えられる。
また、物流拠点を建設することにより雇用が創出され、経済活動が営まれることから、物流拠点周辺では消費額の増加や就業人口の増加が期待される。そのため、都市機能の立地が促進されるなど、物流拠点整備により周辺地域の地域開発が促進されることが期待される。特に、域内デリバリー型では小売機能を積極的に導入していくことにより、集客性を持った地域開発が実現されるものと期待される。このように物流拠点整備は都市の構造を大きく左右することから、物流拠点整備の開発インパクトを生かした地域開発が求められる。
さらに、物流拠点には周辺地域における物流事業者が集約されることから、秩序ある土地利用に貢献するものと考えられる。
(4)地域住民に対する効果
地域住民の環境問題に対する意識がますます高まるなか、これからの物流拠点整備の環境負荷の低減や交通の整流化を促進するといった役割は極めて重視される傾向にあるが、物流拠点整備構想が実現されることにより、市街地への大型トラックの進入、市街地での交錯輸送、物流拠点へのアクセス道の沿道における騒音・排ガス問題等の改善が期待される。
このような効果に加え、これからの物流拠点は地域貢献施設としてスポーツ施設等の福利厚生施設の地域への開放を積極的に進めていくことにより、周辺地域の都市機能の充実にも貢献するものと期待される。
また、地域の雇用創出といった面では、物流拠点が整備されること自体が雇用の受け皿を整備することになるに加え、物流は地域経済の高度化、活性化を支援する側面を持ち、地域産業の育成に貢献するものと考えられ、その結果、地域における雇用を創出するといった効果も考えられる。
さらに、災害時においても、広域的な防災システムが構築されることにより、救援物資のスムーズな供給を確保することが可能となるとともに、物流拠点を緊急避難場所や緊急医療機能等が導入される防災拠点として活用することにより、地域住民の安全が確保されるものと期待される。
(5)消費者に対する効果
公的な物流拠点の整備により、物流が整流化されることは、消費者への物資供給の迅速化とローコスト化の実現が期待されるものと考えられる。
さらに、スケールメリットを生かし、物流拠点がより多くの物量を集め、多様な機能を付加していくことや、物流がリサイクル活動に積極的に関与してい

 

 

 

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