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2. 先進事例調査結果の概要

先進的な機能を導入している物流拠点を事例として取り上げ、今後、導入して行くべき機能のあり方や、問題点等についての検討を深めることを目的に視察およびヒアリング調査を実施した。

 

(1)機械化による物流の効率化
先進事例からは、物流拠点にマルチソーター、OCRリーダーなどの機器を導入することにより、効率的な作業を進めていくといった取り組みが見られた。
しかし、機械化にあたっては、費用的な問題に加え、様々な商品に汎用することが難しい点、荷姿をある程度統一しておく必要性が留意点としてあげられた。また、店舗毎の最終の仕分け等は機械化が困難である点が指摘された。

 

[先進事例:A社]
○入庫〜保管〜在庫管理〜仕分け〜配車計画〜出庫までの各工程を自動化。センター内では、製品はすべてライン上を移動する。
○750アイテムを扱っており、配送先は2万店舗にのぼるが自動化により間違いは減っているとともに、受注から24時間以内の納品体制を構築。

 

(2)情報化による物流の効率化
オンラインシステムによる愛発注業務の効率化や、ハンディターミナルによる確実な出入庫管理等、情報化投資を積極的に進めることにより物流の効率化を進める事例が見られる。流通経路の短絡化が進展するなかで、物流において情報はより重視されるものと考えられる。
このような取組は、リードタイムの短縮化、在庫管理の品質向上、新しい物流サービスの提供を実現するに加え、取扱貨物の取扱の仕様の標準化が図られることから、素人による作業も容易になる点が指摘された。

 

[先進事例:B社]
○ハンディターミナルを導入し、出入庫状況をリアルタイムに把握。取扱貨物を一元化(同一仕様化)して管理することができるため、素人でも作業を行うことが可能。
○将来南には荷主の端末と結びつけ、在庫管理サービスを積極的に行っていきたい。

 

(3)共同化による物流の効率化
配送業務等を共同して進めていく体制を構築することにより、コストの削減やサービスの質を高めることに成功した例が見られた。また、共同配送は都心部の交通渋滞緩和にも大きく貢献していく点が指摘された。

 

 

 

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