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られる古い物流拠点はリニューアル期を迎えつつあるとともに、施設の狭隘化や老朽化が問題点として指摘されており、さらなる高度化が期待されている。
物流拠点のリニューアルや高度化にあたっては、今後の物流の動向を的確に捉えるとともに周辺環境の調和にも配慮しつつ、必要に応じて整備機能の見直しや転換の可能性についても検討することが必要である。

 

(6)地域との共生・協調
?都市の空間形成・交通環境改善への対応
物流拠点の配置は都市構造を決定づける大きな要因となることから、都市の土地利用の適正化に寄与するといった役割を担っているとともに、トラックが集中するといった性質上、物流拠点の配置は周辺地域の交通環境の改善にも大きく関連する。
そこで、物流拠点を整備するにあたっては、施設の特性と役割を踏まえ、都市構造面に配慮するとともに都市機能との共生、住み分けのバランスといった視点を念頭に入れて進めていく必要がある。
さらに、物流拠点をとりまく問題点として荷主、物流事業者の多くが周辺道路の混雑を指摘しており、より円滑な物流を確保する上で、物流拠点へのアクセス道の整備改善は極めて重要である。

 

?環境負荷の低減
地球レベルで環境保全意識が高まるなか、物流拠点においても簡易梱包等の実施や騒音、排ガス等、交通公害の緩和といった環境負荷の低減に向けた取り組みを積極的に進めていくことが求められている。

 

?魅力ある職場と就業機会の創出
長期的に労働力不足が懸念される物流業においては労働力の確保は重要な課題である。また、物流拠点は地域に就業機会を提供するといった役割があることから、魅力ある職場を創造していくことは地域との共生を図る上で、重要な要素と言える。
そこで、物流拠点においては食堂、金融機関、宿泊所をはじめ福利厚生施設等の整備により、魅力ある職場づくりが求められる。
また、今後女性の雇用が増加するものと想定されるが、物流拠点においても女性にとって働きやすい職場づくりが求められる。
さらに、物流拠点をとりまく問題点として通勤に不便である点が荷主、物流事業者から多く指摘されていることから、従業員の通勤利便性を高めていく必要がある。

 

?施設の地域への開放
物流業は都市の社会経済活動を支えるといった重要な役割を担っているとともに、これまで地域産業の合理化や商業・流通機能の高度化に大きく貢献して

 

 

 

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