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(1)拠点機能と連携の強化
?国際物流への対応
1)国際ハブ機能の強化
近畿圏は、これまで、世界を代表する一大交易拠点を形成し、わが国の玄関口としての役割を担ってきた。今後、アジア諸国を中心とした諸外国との交流・交易がさらに進展するものと見込まれるなか、国際物流への対応はますます重視される。
一方、アジア経済は著しい成長を見せるとともに、港湾、空港といった社会基盤の整備進展はめざましく、近年では設備の充実度やサービス水準の向上に加え、低コストといった優位性を生かしつつ、アジアの物流面におけるハブ機能を高めていることから、わが国のアジアにおける物流のハブ機能の相対的低下が指摘されている。
そのため、今後近畿圏の港湾や空港といった物流拠点が大量の貨物を集めることにより生じるコスト低下や路線の充実といったスケールメリットを確保していくためには、アジア諸国をはじめとする諸外国の物流拠点との連携を積極的に強化していくことが重要である。
また、施設面の一層の充実と併せて貨物の中継機能を強化し、さらに内外価格差の是正や常時運営体制の整備を進めるなど、国際競争力の向上を図り国際ハブ拠点としての魅力をより高めていくことが望まれる。

 

2)魅力あるゲートウェイ機能の創出
今後、製品輸入は増加するものと見込まれており、物流拠点のゲートウェイ機能を積極的に充実していくことが求められている。
製品化された貨物は、素材や原料と比較してより早いリードタイムを要求される傾向が見られ、物流拠点における貨物処理の迅速化や常時運営体制を整備することが求められるとともに、配送機能の強化が求められる。
さらに、わが国ではライフスタイルの多様化に伴い消費者ニーズも多様化し、より差別化された商品や質の高いサービスを求める傾向が見られる。また、製造物責任法(PL法)が施行されたことから、品質は今後より重視されるものと想定され、物流拠点では輸入貨物の品質管理機能をさらに高めていく必要がある。

 

?広域物流への対応
これまで、荷主企業を中心に広域高速交通体系や情報基盤の整備進展を背景に、生産機能や物流拠点は集約化される傾向が見られた。今後もトータルコストをより削減するために、拠点の集約化はさらに進展するものと見込まれる。
その様ななか、物流拠点においては、ますます重要性が高まる幹線輸送の効率化を積極的に図るため、トラックをはじめとする幹線輸送機関の大型化に対応していくことが求められるとともに、物量が集中する時間帯においても円滑

 

 

 

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