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(2)ヒアリング調査にみる近畿圏の物流拠点に対するニーズと問題点
[ヒアリング調査の概要]
統計分析や文献調査では把握しきれない様々な物流拠点をとりまく問題点の抽出を行うとともに、今後望まれる物流拠点像を明らかにすることを目的として、近畿2府4県で事業を行う荷主企業5社(製造業、卸小売業、商社)、物流事業者9社を対象としてヒアリング調査を行った。
ヒアリング調査では、物流をとりまく環境の変化、今後の物流活動の見通し、近畿圏の物流拠点の現状と見通し、行政主導の物流拠点整備に対する要望等について把握した。その結果の概要は以下に示す通りである。
?輸入貨物の増加と国内完結物流の減少
<荷主企業>
・輸入貨物の増加(製品・半製品)と、現地調達比率の上昇。
<物流事業者>
・製品輸入により国内物流の絶対量が減少する。
?物流の多様化と物流の多機能化の動き(配送、加工、検品等品質1管理、生産、情報機能の付加を)
<荷主企業>
・製品輸入により必要量を必要時に調達することが求められる。
・物流事業者には輸送、保管だけではなく流通加工が求められる。
・PL法が施行され、輸入品の品質管理が重視される。
・輸入対応の施設は国内外の結節点として利便性が高い。
・物流拠点は情報の発信基地である。
・組立が行える半工場を物流拠点に併設したい。
<物流事業者>
・物流は輸送、保管だけではなく流通加工が求められる。
・物流に間屋機能が求められつつある。物流に南流を取り込む動きがある。
・製品輸入が増え、より消費者に近い物流が求められる。
・PL法が施行され、輸入品の品質管理が重視される。
・港頭地区の機能をもった物流拠点を内陸で整備したい。
・港頭地区は市場に近く、輸入拠点が整備されているといったメリットがあるので、国内物流も扱える機能が必要。
?貨物の特性に応じた物流が必要
<荷主企業>
・ジャスト・イン・タイムの要求はエンドユーザーとの関係により異なる。
コスト重視の貨物とリードタイム重視の貨物がある。
短いリードタイムが求められる食料品や消費地志向の宅配貨物は都心立地志向

 

 

 

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