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3. 荷主・物流事業者の物流拠点に対するニーズと問題点

(1)アンケート調査にみる近畿圏の物流拠点に対するニーズと問題点
[アンケート調査の概要]
統計分析や文献調査では把握しきれない様な物流拠点をとりまく問題点の抽出を行うとともに、今後望まれる物流拠点像を明らかにすることを目的として、近畿2府4県で事業を行う荷主企業(製造業、卸小売業、商社)500社、物流事業者1,000社を対象として平成7年11月にアンケート調査を行った。
このアンケート調査では、物流をとりまく環境の変化、今後の物流活動の見通し、近畿圏の物流拠点の現状と見通し、行政主導の物流拠点整備に対する要望等について把握した。その結果の概要は以下に示す通りである。

 

《荷主企業》 回収数:182通(うち無効票3通)回収率:36.4%
《物流事業者》 回収数:489通(うち無効票22通)回収率:48.9%

 

?物流をとりまく環境の変化
[荷主と物流事業者との関心の相違]
荷主企業が重視する社会的潮流は、「低経済成長への変換」、「価格破壊の進展」、「情報化の進展」の順となったが、物流事業者は、「低経済成長への変換」、「規制緩和」、「高齢化・労働力不足の進展」の順に多く回答された。
また、物流をとりまく環境の変化においても荷主と物流事業者では捉え方に相違点が見られるが、「多頻度・小口化」と「物流業の規制緩和」は荷主、物流事業者の双方から大きな関心が寄せられている。
[商社・卸小売業のサービス高度化と小売業の流通経路短絡化]
荷主企業でも製造業と商社・卸小売業とは大きく異なっており、商社・卸小売業で「物流サービスの高度化」と小売業の「流通経路の短絡化」を重視する傾向が見られた。
「ロジスティクスの進展」は製造業で大きな動向として捉えられている。

 

今後重視する社会的潮流・物流の環境変化

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