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序章

 

1. 調査の背景と目的
これまで物流は、わが国の産業の発展や国民生活水準の向上を担う基盤として大きな役割を果たしてきた。近年、近畿圏においては経済活動のグローバル化、消費者ニーズの多様化・高度化といった社会経済環境の変化に加え、関西国際空港の開港をはじめとする広域交通体系が著しく整備進展する一方、道路交通環境の悪化等、環境保全意識の高まりにより物流体系をとりまく環境は大きく変化している。
このような中で、平成6年度には、近畿運輸局・財団法人関西交通経済研究センターが、21世紀の近畿圏の物流の目指すべき姿を「近畿圏ソーシャルロジスティクスの構築」としてとりまとめた。
本調査は物流ネットワークの結節点として位置づけられる物流拠点を取り上げ、ソーシャルロジスティクスの実現に向けて、望ましい物流拠点整備のあり方を検討することを目的に、整備機能のあり方、地域の特性に応じた拠点整備のあり方などについて検討したものである。

 

2. 調査項目
(1)近畿圏における物流拠点の課題
(2)近畿圏の物流拠点整備の方向性
(3)近畿圏における物流拠点整備構想(提言)

 

3. 調査内容
(1)近畿圏における物流拠点の課題
近畿圏の物流拠点整備の将来像を展望するにあたり、物流拠点の現状について整理・把握をした。また、近畿圏をとりまく社会経済環境の変化が物流拠点に与える影響や、荷主・物流事業者の物流拠点に対するニーズと問題点をアンケート調査等により把握し、近畿圏の物流拠点の課題の抽出を行った。なお、課題抽出にあたっては、近畿圏の物流をとりまく上位関連計画・関連法規の動向も視点に入れて検討した。

 

(2)近畿圏の物流拠点整備の方向性
課題の抽出結果をベースに、近畿圏の物流拠点の課題に対応するための基本的な考え方を整理した。
また、近畿圏の貨物の流れの将来展望を行い、必要となる物流拠点需要量の推計を行うことに加え、先進事例調査から物流拠点整備に求められる機能や留意点等を抽出することにより、物流拠点整備の方向性の検討の深度化を図った。
なお、ここで整理した物流拠点整備の方向性を地域別、タイプ別に検討を深めていく前段として、物流拠点のタイプ分けや近畿圏の物流面からみた地域特性についての考え方の整理を行った。

 

 

 

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