
(注1)契約田係の必要性 MANDATE最終報告書では、電子的現境で取引することを希望する各当事者を包含するフレームワーク契約(framework contract)の締結を提案している。この契約は、システムへの参加を希望する各当事者と中央機関との間において締結される。 (2)ユーザグループの結成 MANDATEが結論づけたところによると、取引当事者間における流通性問題は、個々の業務処理や物品の所有権の移転に係る法的責任について詳細を規定している確立された契約関係の枠組みによって処理することができるであろう。このことは、一連の合意されたルールに従うことに合意するユーザグループを結成することによって達成することができるであろう。 (3)中央登録機関 プロジェクトの所見では、メッセージ・セキュリティは、中央登録機関(central registry)として機能し、当事者の取引に中立的な立場にある信頼できる第三者を使用することにより確保できることになると提案している。 登録機関は、2つの重要な機能を果たすことになる。つまり、所有権の移転が納得のいくように完結し、そして、電子的メッセージ・セキュリティ・サービスにより、商取引の完全性の維持を保証することである。 メッセージ・セキュリティ・サービスは、ディジタル署名のような暗号化技術を使用することにより、最も効果的に提供できることになる。 (注2)信頼できる第三者の使用 MANDATE最終報告書では、電子的環境においてユニーク性を保証する方法として、「委託第三者」(trusted third parties;TTP)の利用を提案している。「委託第三者」は、流通性書類の電子的代替物の継続的な権利所持人の登録機関としての役割を果たすことになる。 3.BOLERO《bill of Lading for EuroPe》 (1)BOLER0プロジェクト BOLER0プロジェクトは、多くの点で、MANDATEプロジェクトにおいて提唱された実証実験であるといえる。 電子的船荷証券(electronic bills of lading)を海運の実務環境に導入するトライアル計画が、1995年の6月下旬から9月中旬にかけて実施された。輸出入関連業界の主要分野の26組織がBOLER0トライアルに参加し、欧州、米国、香港のトライアル参加者による仮想取引(shadowed trade transactions)が実施された。
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