1980年代中頃、国連ECE/WP.4/T.T.2に提出された文書の中で、初めてモデルEDI協定書の概念が提唱された。1985年、北欧の貿易協会が、NORDIPROを通じて、独自の「通信協定書に関する統一規則」(Uniform Rules on Communication Agreement)を開発した。ICC特別合同委員会の作成したUNCIDによって、EDI取引当事者間にEDI協定書の必要性が認識されるに至った。EDI当事者は、実際にEDI協定書を作成する場合、その一部としてUNCIDを採択することができる。しかし、EDI協定書を作成する際に利用することができるモデルEDI協定書を求めるユーザーの要望に呼応して、その後、数々のモデルEDI協定書(またはガイドライン)が作成された。例えば、次のものを含めて、約20種類のものが開発されている。
イ. イギリスEDI協会「標準EDI協定書」(1989年)
イギリスEDI協会「標準EDI協定書」(Standard Electronic Data Interchange Agreement)は、1989年に開発され、同年3月7日から英国のすべてのEDIユーザーに対して本標準協定書を使用することを勧告している。この標準協定書はユーザー・マニュアルと一緒に使用されるように意図されている。本標準協定書は取引当事者に法律的なセキュリティを提供し、ユーザー・マニュアルはEDI通信に必要な技術的なセキュリティを提供する。ユーザー・マニュアルには、メッセージの構造および通信手順に関する技術的な指図がすべて記載されている。