§9.呼吸力の養成法
(気の妙用) 宇宙の生命力の根源,心身を統一するものを合気道では”気”ということばで表現している。その気の力を呼吸力という。 人間の身も心もしっかりと統一されている体勢で,体が持続的になめらかに動くことが,合気道の稽古には一番大切である。それには,どうしても外側の筋肉の力にたよるのではなく,どこにもとどこおりがなく,体の中心へ中心へと結ぶ,自分自身の核心(臍下丹田)から発出される力「呼吸力」を養成することが要求される。この養成法には座法と立法があり,正座からはじまる座法の呼吸法を基本の鍛錬法としている。 ※筋肉力と呼吸力(力の出し方) 筋肉力(筋肉の収縮による運動)
呼吸力(体腔圧の変動ともなう運動) ※身体の力学的にも,精神的にも中心にたっているところを古来から「臍下丹田」と表現している。
“心を載せて形を御するものは気なり”(心と体をむすんで働く力が気である) §10.整理運動
(終末運動) 稽古によって高まった心身の興奮状態をすみやかに平常の状態へ復帰させる。また,体内の蓄積した疲労物質の除去を促進するよう終末に行なう運動をいう。 ※稽古の種類 イ.一人稽古 ロ.見取り稽古 ハ.一般稽古 ニ.掛り稽古 ホ.自由掛り稽古 へ.指導稽古 ト.寒中・暑中稽古 ※坐法日本武道の基本的姿勢は「正座」である。正座は,日本の伝統的な礼法でもある。すわったままの動きで,あらゆる攻撃を自在に制することを鍛錬の第一と考えたのである。 日本武道の伝統を生かした合気道は,正座から生まれた坐り技を重要視し,足腰を鍛錬して坐っても立っても対応する動きを会得し技を高めていく。
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