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した。老人や障害者は、日頃から自分の存在を周囲に知らせておくことが大切だ。プライバシーに関わることに違いないが、命と引き換えだとすれば最低限の情報として発信しておいても損はないはずである。我が身のために活用してこそのプライバシーともいえよう。

私たち健聴者は日頃、音声と映像両方でコミュニケーションを図り、情報を入手している。電話、ファックス、テレビ、ラジオ。それらはあって当り前、通じて当り前だった。だが震災時、それらが途切れたり一方通行になって初めて有り難さに気づいた。情報はあるのに伝える手段や機能がない。発信しても受信できない。なんと歯がゆく苛立たしいことか。

のちに車椅子の友人から「それが難聴体験やないか」と教えられた。そう、震災は被災地の健聴者をしばし難聴者に仕立てた。聴覚障害者、コミュニケーション、ブライバシー。難聴者を取り巻く様々な問題が、身近になったことも確かである。





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