13、来島海峡
来島航路では、来島航路西口の来島航路第二号および第四号ブイならびに東口付近の来島航路第七号および第八号各ブイ付近の航行、転流時の通峡、強潮流時の操船に特に注意が必要と考えている。
(九千トン級F、船長)
14、燧灘〜瀬戸内海西部
佐多岬付近は南北航、東西航の行き合い船も多く、また四月〜六月にかけては濃霧が発生しやすいため、霧中信号を適切に実施のうえ、安全航行に心掛けている。
(一万千五百トン級F、船長)
15、四国南岸
室戸岬から十海里以内の海域は南寄りあるいは東寄りの風浪やうねりは異常に発達することがあるので、荒天時には二百メートル等深線を十分離して航行している。
(一万千五百トン級F、船長)
16、関門海峡〜九州西岸
五島列島東海上から生月島西、玄界灘から博多湾において四月〜六月にかけて霧が発生しやすく、また小型イカ釣り漁船が多数操業している。特に波のない穏やかな夜間において、陸の灯火と間違うほど多数操業している。なお、冬季の季節風が強く吹くときは三角波が発生するので注意を要する。
(八千トン級F、船長)
17、九州東岸
豊後水道北部は四月〜十一月にかけて流し網・延縄漁船、中部は年中一そうびき網漁船、南部は年間小型まき網漁船が多数操業しており、早めに迂回避航または減速のうえ汽笛による信号を実施し避航している。
(一万千五百トン級F、船長)
18、九州南岸〜沖縄
@名瀬港北の海域二十〜三十海里と屋久島〜大隅海峡間の海域では最近、多種多様の大型船が行き会うようになり、沖縄〜鹿児島間を航行する船舶と危険な状態になることがたびたび起こり、注意を要する海域になっている。また挙動不審の漁船等も数多く認められる。
(七千トン級F、二航士)
A池間島(宮古島の北方)灯台から北〜北西十〜十三海里付近に多数のパヤオ(シイラ漬け漁具など)が設置されている。慶長間諸島から那覇へ向かうとき、干潮時は南へ、満潮時は北へ落とされるので、注意が必要である。
(五千トン級F、船長)

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注意すべき気象
1、気長・海象
@潮岬沖では、南寄りあるいは東寄りの風浪やうねりは二百メートル等深線で異常に発達することがあるので、荒天時には、二百メートル等深線を十分離して航行している。できれば沖合六海里付近にある子炉等深線の外側を航行するほうがより安全である。
(一万千五百トン級F、船長)
A日本海北部〜北海道にかけての冬季間の降雪による視界制限には注意が必要である。特に降雪による視界制限は瞬時に発生することが多く、常に周りの状況を把握しておく注意が必要だ。また降雪の場合、漁船等小型船はレーダーで捕捉できないことがある。
(一万三千五百トン級F、一航士)
2、漁船
深夜あるいは早朝、足摺岬付近の漁港から出漁する漁船がある。この漁船は漁具を準備するなどのためと考えられるが、ブリッジを無人にしていることがよくあり、見張りが十分とは思えないので、この海域ではこのことを念頭に置き「状態のいかんにかかわらず」本船が早期に避航している。
(一万千五百トン級F、船長)
3、漁具
備後議航路第五号〜同第六号ブイとの中間位置の航路からほんの少し北側に、四月一日から六月十五日まで「つぼ網」がある。網は放射線状に出ているので航行中、特に船舶を追い越すとき、網に乗

 

 

 

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