の一般情報はラジオ放送による定時・臨時放送およびテレホンサービスにより打っているもので、内容的には巨大船の浦賀水道航路入坑予定、航路航行制限および東京湾や東京湾に隣接した海域における気象現況などを行っています。
また最近では、ユーザーのニーズにより、FAXサービスによる情報提供の導入を検討しておりますので、今後とも東京湾海上交通センターが行っている情報提供を活用して、東京湾における航行安全に役立てていただくようお題いいたします。
前東京湾海上交通センター
主任運用管制官
〈管制対象船舶とは〉
※巨大網=長さ二百メートル以上の船舶
※店険物積載船=@八十トン以上の火薬類または二百トン以上の有機過酸化物を積載した総トン数三百トン以上の船舶A引火性液体類または引火性高圧ガスをばら積みした総トン数千トン以上の船舶
※長大物件えい船舶=物件を引き押して航行する船舶で、先端から後端までが二百メートル以上の船舶
※一万総トン以上の船舶

旅客船桟橋衝突事故に裁決

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仙台地方海難審判庁は三月十三日、旅客船“くろさき”が昨年五月九日午前八時五士二分に宮城県気仙沼港で、桟橋に衝突した事故について、二人の受番人に対し「機関長の業務を二カ月、船長の業務を一カ月停止する」との裁決を言い渡した。
くろさきは、昭和五十一年三月に進水した総トン数一四〇トンの選製旅客船で、主として宮城県気仙沼港の南方に位置する大島の浦ノ浜と、同港港奥に位置する観光桟橋とを結ぶ定期航路に就航している。
この事故は、くろさき(乗組員三人)が五月九日、仙台市の中学校二年生百五十人を含む旅客二百六人を乗せて、浦ノ浜を午前八時半に気仙沼港観光桟橋向け出航し、着桟の際の同時五十三分、約六ノットの速力で船首が桟橋に左舷後方から約八五度の角度で衝突したもの。
衝突により、通路や出入口階段付近に立っていた旅客が転倒するなどして、旅客百六十三人が骨折、打撲などの重軽傷を負った。船体は船首部材および船首部外板にき製を伴う凹傷などを、桟橋にはコンクリートに欠損を生じた。
裁決書によると、衝突の原因は「浦ノ浜発航前、逆転減速機のクラッチ表示灯の不点灯を修理する際、船側の主機遠隔操縦装置のリンク機構の調整作業が不完全で、リンク機構の連結金具のロックナットが確実に締め付けられないまま発航し、振動で連結金具が緩んでリンク金具が脱落した状態で航行が続けられたことおよび主機遠隔操縦装置の作動テストが不十分で、着桟前に所定の後進テストがなされず、クラッチが切り替え不能となったまま観光桟橋に向けて進行したこと」としている。
また多数の負傷者が発生したのは「着桟操船にあたり、クラッチが前進状態となったまま、操縦ハンドルが全速力後進の位置に操作されたことにより、機関の回転が急上昇し、増速されて桟橋に激突したことによるものである」としている。
船舶所有者については、乗組員に対し運航の安全を確保するための教育指導が十分でなかったことは本件発生の原因となるとしながらも、大島汽船(株)が事故後、運航管理体制を強化したり、乗組員に対し運航の安全を確保するための教育指導を積極的に行っていることから勧告しなかった。

 

 

 

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