そして、今後、これ以上吹かないという保証はない。
三、運用上の防止法
1、錨地
走錨を防止するためには、まず船体にかかる外力を最小に抑えることのできる錨地を選定する。
外力となる風、波、吹送流、うねり、海潮流のうち最も影響力のあるのはうねりと風であるので、台風の場合は、南のうねりの入ってこない湾等で、かつ右半円の時の最強風向に山等で遮蔽されるような場所を選ぶのが最善策だ。できれば走錨時には、沖側に流れるか最悪でも遠浅の砂地に向かうようにできれば最良である。
なお、そのような場所は限られているので台風時には遅れないようにする。

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2、錨泊法
錨泊法にはいろいろあるが、把駐力を大にするなら単錨より二錨の方が大であろう。また、振れ止め錨は、ある程度風が強くなると効かなくなるとのこと。走錨例も散見する。
よくある例が風向変化反対舷の単錨泊に振れ止め錨使用、風向変化に合わせて振れ止め錨の錨鎖を徐々に伸ばし、最強時に双錨泊にする方法。これについては、風向変化量が不確定であることと双錨泊時の角度を大きくしたくない思いから比較的短い単錨泊で始めることがある。これは時機を失すると振れ止め錨が効かなくなり、同時に短い単錨泊なので、走錨開始する。
これは早めに走錨するので、気付いた時点で十分錨鎖を伸ばすか、錨を揚げて転錨すればよい。もともとが甲板上で細かい作業ができることを前提としているので、猛烈な風浪には向いていない。
従って、台風対

 

 

 

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