います。気候の暖かい他管区ほどではありませんが、近年の海洋レジャーの活発化により、今後増加する恐れがありますので、道内七地区にそれぞれあります小型船舶安全協議会や七二団体が加盟する北海道スキューバダイビング安全対策連絡協議会等の関係団体との連携を図り、海難防止運動を強化する安全対策を講じています。
増えるロシア船と海難
西山 話は変わりますが、北海道と言えばロシアとの関わりが深いわけですが、ロシア船の往来数、海難の状況、放置船の問題等についてお聞きしたいと思います。ロシア船の入港隻数からお聞きします。
赤石 平成七年は六、〇五六隻で平成六年よりも一、五四三隻増加しています。過去五年間で見ますと、毎年約一千隻づつ増加しています。また、管内の各港に入港する全外国船舶に占めるロシア船の比率は、平成三年には三七%でしたが七年には七一%になっています。船種はほとんどが貨物船です。
西山 貨物船がほとんどということですが、日ロ間の交易の荷物は、どんなものが多いのでしょうか。
赤石 ロシアから日本へは、大型船では北洋材を、小型船では活がにや鮮魚をまた日本からロシアヘは、中古車や中古家電製品を運んでいるようです。
西山 そうですか。とにかく相当激しい増え方ですが、ロシア船に関する海難事故の動向はどうなっていますか。また、事故防止対策はどのようにされていますか。
赤石 ロシア船の海難は、入港隻数の増加に呼応するように増加傾向にあります。平成四年二隻、五年六隻、六年七隻、七年九隻といったように増え続けています。また平成七年の外国船舶の海難は一六隻ですから内九隻ということは、過半数がロシア船ということです。
海難種別では、乗り揚げ二隻、機関故障二隻、衝突一隻、浸水一隻、流氷による航行阻害三隻となっています。
また海難原因としては、横関整備不良、気象・海象不注意等の運航上の人為的ミスによるものが約六割を占めています。これら人為的要因による海難は「安全意識の欠如」によるところが大きいので、それぞれの入港地の特殊性を分かりやすく記載したパンフレット等を利用して、ロシア船および代理店への海難防止指導や漏油防止指導等を積極的に実施しています。
それから、平成七年十二月に実施したロシア船一六一隻への実態調査では、適当な海図を備えていない船舶二三%、船齢十五年以上の船舶六五%、船体発錆が著しい船舶五六%との結果が出ております。これらからも設備や整備の進んでいない船舶が多いことが分かりました。これらに対しては、代理店等を通じ船体の安全点検等に配慮するよう要請しています。
放置されたロシア船
西山 海図を備えていないなど、とても日本人の常識では考えられないのがロシア船ということですね。現地の保安官のご苦労が偲ばれます。
次に、座礁ロシア船の多くは放