
生涯体育・スポーツを考えた
初期段階の柔道指導について 奈良県中学校体育連盟研究部専門委員長 広陵町立広陵中学校池辺謙二 1. はじめに
本県において、部活動の研究は、平成5年度まで学校体育研究会の内部で研究されていたが平成6年度より中体連研究部として発足し、3年目を迎える。前身の研究部より、メンバーが一新され1年目は、各専門部に、研究部の意義と内容を説明することから始まったが、メンバー交代などもあり、組織づくりをするにとどまった。2年目より各専門部のかかえる問題点を出し合い、研究内容を検討した。その結果、生徒数の減少や部活はなれにより部員数の減少が指摘され、部員確保の難しさがどの専門部からも出され、指導者の不足、施設や練習時間等、予想されたとおりの問題点が挙げられた。そこでまず、部員数と指導者の調査を行い、傾向を把握するとともに、大会入賞選手の体力・運動能力調査結果を集計し、選手強化に役立てたいと考え、調査活動を行っている。このような状況にあって今回の研究大会に向けての調査研究活動としては十分とはいえないが、各種目で生涯体育・スポーツを視野に入れ、発達段階に応じた指導の研究を行うことにより、生徒により興味を持たせ、部活ばなれも少なくすることにつながるのではないかと、今回、柔道の初期段階の指導をテーマにこの調査を行った。これは、初期段階での生徒の心理面と体力面を把握することと、指導経験豊富な高段者のユニークな指導方法を参考にして新しい初期段階での指導に生かせたらと考えたからである。 2. 調査対象
(1)県内中学校柔道部に在籍する全都員にアンケート調査 ・調査部員32校中23校回収223名 ・調査期間平成7年5月〜7月 (2)県内の学校・道場などで指導している経験豊富な高段者を対象にインタビューにより聞き取り調査 ・調査期間平成7年7月〜8月
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