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参考論文

論文「中国人家族の世代間関係の変化:台湾の経験」

孫得雄、Y.H.Liu台湾省家族計画研究所専門官共著
*日本大学「国際家族と今日的日本文化に関するシンポジウム」(1990年10月20−24日開催)提出論文より一部抜粋。

 

■研究の目的
台湾における社会変化や家族構造に関する研究はたくさんあるが、それらのほとんどが家族構造における社会変化の影響を一般化して語っているにすぎず、家族内の世代間関係の変化に言及しているものは極めて少ない。また、高齢者福祉に関する研究もあるが、それらの多くは高齢人口のための福祉制度や社会政策を分析し概観するだけある。ほんの一握りの研究だけが家族内の高齢者と他の家族員の関係を論じている。さらに心理的視点から世代間関係の変化を論じる研究はいくつかみられる。
本研究の目的は、台湾社会の近代化に伴う中国人家族の世代間関係の変化を社会学的見地から分析するものである。居住形態、経済交流、相互訪問、婚姻への関与、両親の子の教育への期待度などの要因によって世代間関係を考察する。
■データと分析方法
本研究で用いたデータは、台湾省家族計画研究所が継続的に行った出生力(KAP)調査による。6回にわたるKAP調査は同研究所によって現在まで1965年、1967年、1973年、1980年、1986年に実施された。本分析は、1967年、1973年、1980年、1986年調査分を用いており、6−7年間隔で、しかもデータの不完全な分を排除した。すべての調査は台湾地区に住む最近結婚し現在育児期にある女性(20−39歳)を代表するサンプルを抽出し、山岳地帯に住む20の

 

 

 

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