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に合格できず、許可のない状態のままで運営していて、ケアの質が劣っている心配がある。これを如何に処置するかが、将来の老人福祉に大きく影響する。政府としては、まずこれらの非合法の安養機構を十分に調査し、了解したうえで、設置の規準をもう少し合理的に調整した後、これらの機構を指導して、基準に合った、高品質の老人ケアができるようにすべきであると思う。そして、この段階の後に、厳格に取り締まり、老人の権益を保護しなければならない。

4.むすび

台湾も最近人口の高齢化に対して、漸々と関心を高めてきている。政府当局も色々な方法を講じて、老人の福祉を図っているが、まだ不足している。将来、人口の急激な高齢化に伴って、問題がもっと難しくなる。今、しっかりした具体的な企画ができていないと、将来の老人の生活は、悲惨なものになるだろう。現在の青壮年が将来の老人であることを認識した場合、今の青壮年は黙ってはいられないのではないかと思う。しかし、将来の経済発展と政府の能力には限りがある。今の欧州諸国の歩んだ道をよく検討し、同じ間違いを繰り返さないように、気を付けなければならない。そして、もっと東洋の文化に即した養老のシステムを築き、政府と民間、ならびに家庭が、手を取り合って、将来の老人の福祉を図るべきではないかと思う。(孫得雄)

 

 

 

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