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1.高齢者の基本属性

1995年の台湾総人口2,130万人のうち、162.5万人すなわち7.6%が、65歳以上の高齢者である。この高齢者のうち、40.7%が65〜69歳で、日本の34.5%(1993年)よりも高く(すなわち若い)、韓国の41.6%(1990年)よりも少し低い。また、70〜74歳人口の占める割合は28.8%で、日本の25.0%と韓国の27.5%よりも高い。また、80歳以上高齢者の占める割合は13.9%で、日本の20.8%に比べると非常に若いが、韓国の13.4%にほぼ等しい。つまり、台湾高齢者の年齢構造は、日本の高齢者よりも若いが、韓国の高齢者に非常に近いといえる。
台湾高齢人口の特徴の一つは性比(女性100人に対する男性の数)が高いということである。1995年の65歳以上人口の性比は121.1で、日本の68.9、中国の83.2、あるいは韓国の60.0よりも高い。各年齢層のうち、65〜69歳人口の性比が一番高く134.5で、その次が70〜74歳の129.1、75〜79歳の112.0で、80歳以上ではじめて100以下に下がる。これは、主に1945〜1948年の間に中国大陸から撤退した約100万人の人口が主に軍人と官吏であったことに起因する。当時の青年が今老年期に入ったことになる。この高齢人口は、表2−1に示すように、台湾生まれの高齢人口と異なる。まず、そのうちの84.0%が男性で、60〜69歳に集中し(74.6%)、未婚と離婚・別居の比率が高く(各13.2%、8.2%)、学歴が高く中学卒以上が47.6%を占め、無学がわずか13.4%と低く、これは丁度台湾生まれの老人と反対の傾向となっている。居住状態も、未婚の子供との同居が最も多く、これは晩婚によるものと見られる。健康状態は、一般的に台湾生まれの老人よりも良い(表2−1を参照)。
この高齢人口の影響で、将来の65歳以上人口の性比は持続的に高い水準を保ち、2020年に至っても、まだ88.7と現在の中国の高齢者よりも高い(表2−2を参照)。男性高齢者が比較的多いことは、高齢者のケアシステムに大きく影響する。
高齢人口の配偶関係状況は表2−3に示すように、男女の差が著しい。総体的に言って、有配偶者(65歳以上)は60.5%を占めるが、そのうち男性が70.8%に対して、女性はわずか48.1%で、死別は男性の14.2%に対して、女性の46.2%と多い。これは男女死亡率の差異によるものである。年齢別に見ると、この差がもっとはっきりしてくる。男性の未婚率が女性よりも高いのは、前述の中国大陸生まれの高齢者

 

 

 

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