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第2章 台湾高齢者の実態と意識

台湾も人口の高齢化に伴って、老人福祉に対する関心が高まり、高齢者の実態と意識の調査が増えている。特に、行政院主計処の「老人状況調査」と台湾省家庭計画研究所の「台湾地区老人保健および生活問題調査」が注目に値する。本章はこの二つの調査結果に基づいて、整理したものである。
行政院主計処は1986年から、「人力資源調査」の一環として、「青少年および老人状況調査」をスタートした。この調査は1989年から「青少年状況調査」と「老人状況調査」の2種類に分けられ、2年おきに行われている。一番最近の調査は、1993年12月に行われ、そのサンプル数は非常に大きく、約19,600世帯で、これは全世帯数の3.6‰を占め、全台湾地区をカバーしている。調査は面接調査法を採用し、65歳以上の高齢者の健康、医療、保健、経済状態、居住、および福祉対策に対する希望等について質問している。その結果は、比率推計法によって、各項目の実数を推定している。
台湾省家庭計画研究所も1989年に第一回調査を行い、1993年に第二回目の調査を行った。これも面接調査で、サンプル数は4,049名の60歳以上の老人で、前述の調査よりもサンプル数は少ないが、全台湾を代表できるように設計されている。調査内容は、高齢者の健康、医療、生活状況等が主であるが、高齢者の子供、嫁等の調査も含まれ、二世代間の関係を突きとめるよう工夫されている。1996年現在、第三回調査が行われているが、時間の関係上、本章は行政院主計処の調査結果を中心とし、台湾省家庭計画研究所の1989年の調査結果は部分的に採用するにとどめ、詳しい分析は別の機会に譲りたいと思う。

 

 

 

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