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2.市民の生活行動

(1)生活行動の変化
家族や地域社会の変化は人々の生活行動の変化と直結している。日本人の生活行動については、「社会生活基本調査」(総務庁:5年毎に実施している全国調査)があるが、この調査によると、人々の生活行動時間も多様に変化している。全国的に生活行動時間が安定している高齢夫婦の生活時間(全国平均)をみても、学習・研究、趣味・娯楽、スポーツ、社会的活動といった積極的余暇活動に費やす時間の増加や、家事関連活動時間の増加(夫婦共)が明らかである(表2−1−2)。
日本の高齢者の生活行動については(詳しくは後述)、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌を見るなどの時間いわゆる在宅型余暇時間が長く、積極的余暇時間が短い、と国際的にも指摘されており、「世界の先進諸国の中で最も厳しい『企業人間』として働き解放され、寿命も長いにもかかわらず、自己実現を企らない日本の高齢者」は欧米の専門家の大きな不思議になっているが、こうした傾向も時代とともに変わってゆくものと考えられている。
また、高齢者の中でこの1年間にその行動を行ったことがある割合「行動者率」をみると、社会的活動(1991年調査から集計)については、男女とも27.8%となっており、そのうち比較的多いのは地域社会や近隣の人に対する社会奉仕であった(表2−1−3、表2−1−4)。1996年の調査結果が待たれるところだが、こうした積極的余暇活動の平均時間そして行動者率は今後も増えてゆくことが予想される。

表2−1−2 高齢夫婦世帯の生活時間の年次変化(全国)(時間.分)

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資料:「社会生活基本調査」(総務庁)
注:高齢夫婦世帯とは、男65歳以上、女60歳以上の者のみからなる世帯。

 

 

 

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