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図2−3−10 先進各国の犯罪発生率

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資料:1996年「国民生活白書」(経済企画庁)

 

また、高齢者が経済的被害を受けたりすることも少なくはなく、日常生活上の心配事も併せて、高齢者が容易に相談できる行政や社会の対応が形成されてゆかなければならない。北九州市に見られる地区行政の相談システム、弁護士会の「高齢者の法律相談」体制、そして高齢者も積極的に参加している様々なグループ活動、そうした新しい地域社会活動は、大都市のみならず全国の地域社会のモデルとなる。

 

3.これからの高齢者

現在「高齢者」と称される年齢階層は、義務教育課程など子供時代には男女で異なる教育を受け、特に男性の場合は家事、育児から閉ざされて成長した者も多く、老後生活で様々な点でダメージも受けている。また、会社人間に徹したために、地域社会との関わりでも意識に反して行動が伴わないなどの問題を抱えている。
わが国の男性高齢者の「家事」行動時間の少なさは、欧米とは比べようもなく、同じ文化圏の中国よりも低い状況であることが最近の「東アジアの高齢者生活実態調査」(エイジング総合研究センター1988〜95年、他)で明らかにされているが(表2−3−10)、「社会生活基本調査」(総務庁)でも、北九州市の男性高齢者(特に無業の男)は「孫などの育児手伝い」もほとんどしていない状況がみられる(生活行動時間に数値がとれない)。こうした高齢者行動の実状については、多少の改善は望めるものの、現在の後期高齢者等には極めて難しい課題であり、暫くはわが国の経済発展に尽くした勇士として社会的に暖かく支えられるべきであろう。

 

 

 

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