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第3節 高齢者事情の変化

 

1.高齢者事情の変化

(1)高齢者意識の変化
現在は「高齢者の年齢区分」を65歳以上の者としているところだが、わずか15年前(1980年頃)までの国勢調査等ほとんどの統計、調査では60歳以上を「老人」(高齢者)として区分していた。そして、「老人」を「熟年」、「実年」などと称しながら、やがて「生産年齢人口区分」にならい、65歳以上人口(老年人口)を高齢者とみなすことが多くなり、高年齢者の健康状態、寿命の伸長などと相まって、1990年代(現在)では、「65歳以上の者」が「高齢者の年齢区分」として一般化している。
国民一般の「高齢者とは何歳ぐらいからか?」の意識を世論調査等でみると、1985年頃までは約6割の者が「65歳ぐらいから」と答え、「70歳ぐらいから」と答える者は4分の1に満たなかった。しかし、その後わずか10年未満の間に、ほとんどの調査で「70歳ぐらいから」が6割を超え、「65歳ぐらいから」は3割以下に変わってきている(「高齢期の生活イメージ」世論調査、1993年総理府)(図2−3−1)。
このように、人々の「高齢者」意識は年々変化しており、とくに現在、「前期高齢者」などと称されているコーホート(年齢層)の健康度からみても、今後21世紀初頭にかけて「高齢者の年齢区分」は、現在の国民意識の「70歳以上から」にまで押し上げられる可能性もある。

 

図2−3−1 高齢者とは何歳以上か

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資料:1993年「高齢期の生活イメージ」世論調査(総理府)

 

 

 

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