日本財団 図書館


 

ECDISは、1974年SOLAS条約の第?章第20規則で要求される“更新された海図”に適合するものとして承認できるものである。」と定義したうえでECDISの性能に関する基本的な枠組みを定めており、IMOの第63回海上安全委員会(MSC)において、第19回総会(1995年)決議案として承認されている。

現在、国際電気標準会議(IEC)でこの最終的な性能基準などを検討・作成中である。

そこで、この性能基準に関連する主な仕様書および規格についてつぎにそれらの概要を記す。

 

1.1.1 ECDISの海図内容と表示に関する仕様書(S−52)

IHOの特殊刊行物S−52として作成された基準で、このECDISの海図内容と表示に関する仕様書(S=52)の付属書として作成された報告書には、アップデートワーキング(UWG)などにより検討・作成されたENCの最新維持に関する指針(付属書1)、ECDISのための色とシンボルの仕様書(付属書2)、およびECDIS関連用語集(付属書3)がある。

なお、このECDISはENCの自動更新のインターフェースとして、完全自動更新においてINMARSAT−CEGC Safety NETの受信可能なレシーバに接続できるものでなければならないとし、半自動更新情報では少なくとも3.5インチ高密度ディスクおよび電話ネットワークを通して更新情報を受け取ることができなければならないとしている。さらに、ECDISは更新情報の手動入力を可能にするものでなければならないとしている。

 

1.1.2 ディジタルデータ交換仕様書(S−57)

ECDISで使用する航海用電子海図(ENC)は紙海図と同様、国際性を有することからIHOが規定した統一仕様で作成される。従って、数値化作業は国際水路局特殊刊行物S−57に記述されたコード体系、フォーマット(DX−90)など詳細なルールに基づき実施される。

このIHO S−57は、つぎの構成となっている。

第1部 オブジェクト・カタログ(形式と属性の規定)

第2部 DX−90フォーマット(ファイル項目と仕様)

 

1.2 デジタルデータ伝送規格(IEC 1162/NMEA 0183)

現在全世界の船舶で広く使用されている優れたデータ伝送規格で、船舶における現状のデータ伝送の実態および将来の動向の参考として重要な役割を果たすものと考えられている。

本規格は、4800ボーのシリアルデータベースによる電気信号要件、データ送信プロトコールとタイミング、及び4800ボーのシリアルデータベースによる特定センテンスフォーマットを定義するものである。なお、全ての送信データはASC?キャラクターコードにより、8ビット文字の最大有効ビットは常にゼロ(d7=O)とすること、1つの

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION