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第6章 情報の加工と提供のあり方について

 

本章では伝送メディアに適した情報の加工とその提供のあり方について検討する。

 

1. 情報提供のモードと伝送メディアの分類

 

情報提供のモードとして、次の3種類が考えられる。

・放送モード

・要求による応答モード

・呼び出しモード

各モードの特性を述べると次のようになる。

 

1) 放送モード

放送モードは、いわゆる無線放送等により相手を特定しないで多数の受信者に一方的に情報提供を行うものであり、ラジオ・テレビ放送、船舶気象通報、海上交通情報、航行警報、気象FAX、NAVTEX等がある。このモードの特徴は、利用者は必ず受信装置を必要とすること、放送は、一般的にはスケジュールのもとに放送されることである。

提供者側は一度に多くの利用者に向けて効率よく提供できるが、利用者側は放送時間を待ち受けて受信する必要がある。ほとんどの場合、受信料は徴収されない。

沿岸航行援助情報センターが放送モードで情報提供するものは、中波または中短波を使用した船舶気象通報、海上交通情報がある。

 

2) 要求による応答モード

利用者が情報を得たいとき、任意の時間にセンターにアクセスし、必要な情報の提供を受けるモードである。利用者は、放送モードのように待ち受けの時間に制約されないため利便性がきわめて高い。

沿岸航行援助情報センターがこのモードで情報提供するものは、VHF無線電話、一般電話によりオペレータが呼び出しを受けた後、要求される情報を会話により提供するもの、自動化されたテレホンサービス、FAXサービスおよびインターネットサービスがある。

 

3) 呼び出しモード

このモードによる情報提供は、海上監視レーダーの監視により危険海域への進入の恐れ等、注意喚起の情報提供が必要と認められる場合、沿岸航行援助情報センターのオペレーターが該船を呼び出して行うモードである。

このモードでの伝送メディアは、VHF無線電話および一般電話が使用される。

 

表1.1は、情報提供のモードとそのモードで動く伝送メディアをまとめたものである。これにより、沿岸航行援助情報センターの情報提供のために具備すべきメディアと周辺装置が明らかになる。

 

 

 

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