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第4章 伝送メディアについて

 

沿岸航行援助情報システムで情報を伝達するために使用する伝送メディアについて調査報告する。伝送メディアとしては従来の海上無線から公衆通信メディアを中心に、より普及度の高いメディアへと移行しつつあるのでこの点から今後の方針を立てる。

 

1 公衆通信メディアの特性と問題点の整理

 

1.1 現状の専用通信メディア

現用の海上専用通信メディアとして使われているものをリストアップして表1.1に示す。

従来は無線で放送とVHF通信のかたちで情報提供が行われていた。これらの無線のサービスについては従来通りのサービスが続けられる。

現在では、マリーンホン、マリーンVHF、インマルサット、船舶電話などの公衆通信メディア経由の通信が多くなっている。(3)(4)

船舶電話は衛星中継の船舶電話(サテライトマリーンホン)に移行しつつあり、沿岸200海里の海域で利用できるようになった。

 

1.2 公衆通信メディア

沿岸海域で使用される公衆通信メディアの特性を表1.2に示す。

表より見て次のことがいえる。

1) 沿岸海域のみの取り扱いでは外国船の場合でも全世界用のインマルサットが使用されることは少ないだろう。直接の電話レベルの利用なら国際VHFが使用されるだろう。しかし、英語で対応するときはインマルサット回線の利用もあるだろう。

2) 沿岸区域では陸上の携帯電話の海上使用も多くなるだろう。陸上と同じように利用できるのでデータやFAXの使用も多いだろう。

3) 衛星携帯電話(ディジタルムーバ)、衛星船舶電話(サテライトマリーンホン)が少し遠いところでは使用されるだろう。データの伝送速度は4800bpsなのであまり大量のデータの伝送は不便なためやはりテレホンサービス、FAXが便利に使用されるだろう。

4) 大容量のデータの伝送の必要性から陸上の端末に対してはINS64などの高速のディジタル回線を使って、データのサービスをすることが利用者のために必要である。陸上の端末より更に専用の無線を介して海上に伝えられる中継利用も多くなるだろう。

 

 

 

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