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3. 国際電気通信連合(ITU)参考資料

文書8C/TEMP/21(改訂1)−E

1996年11月5日

原文:英語

出典:文書8C/19、インフォーメーション8C/1、8C/1O、8B/42、8B/29

起草グループ8C2

新報告書案

船舶間及びVTSトランスポンダ・システム

船舶のための情報管理

(質問ITU−R28/8及びITU−R76−3/8)

 

1 前置き

船舶の移動における操船効率及び安全性を向上させるために船舶間及び船舶と陸上との情報転送を促進する必要性についての意識が高まりつつある。更に、将来の情報についてのこれらの要件は、容量と能力の両方の必要性において今まで考えられていたものからの「歩調転換」になるであろうことが認識されている。国際海事機関(IMO)、国際航路標識協会(IALA)及び両団体でこの件について検討が進められている。

船舶間の情報交換の促進は航海術に新しい可能性を切り開く。船舶は自動レーダー・プロッティング装置(ARPA)を備えたレーダーを有用な航行援助装置としているが、レーダーは目標が明瞭に見え、電波伝搬状態が良好であることを必要とする。即ち、しけや雨によるじょう乱の中では「目の前」でも見えず、性能の低下を免れない。しかも、ARPAの応答時間は遅く、標的の状態、例えば方位や速度の変更を検知するのに何分もかかる。データ通信機能による情報交換の改善で、レーダーの使用では見つけられない船舶の存在を検出することが可能になり、標的の状態の変化をより早く検出できると思われる。

数年間主として船舶と陸地とのデータ交換について検討した後、現在は衝突回避の新手段として、即ち、外洋でのトランスポンダを中心に検討が行われている。本報告は船舶間及び船と陸地とのデータ転送の問題を扱う。

 

2. 船舶間及び船舶と陸地とのデータ交換:現在のトランスポンダ技術

2.1 放送トランスポンダ

自動船舶識別システム(AIS)についてスエーデンと南アが二つの提案をしている。どちらも堅牢な時分割多重アクセス(TDMA)を使用し、同様な機能性を有する。要するに、全ての移動局が彼らの位置、速度及びその他の航行、静止及び航海関連データを航行状態、速度及び回転率に応じて1秒から3分の短い間隔で放送するというものである。その他の移動又は陸上をベースにした局は近隣の全移動局のメッセージを受信し、それらは一体化されているレーダー、ECDISディスプレー或いは簡単なモニター装置に表示され得る。レーダー又はECDISディスプレーに一体化されていれば、他船の位置報告をレーダー情報と相関させることができ、それによりレーダーによって得られる交通画像が改善される。

船舶間報告は本来短距離で、一般にレーダー視界内程度であり、報告は干渉に邪魔されてはならず、かなりのデータ速度が要求されるので、海上移動帯域の2種のVHF周波数

 

 

 

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