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(2)串本港南防波堤灯台の場合
?負荷条件
串本灯台の光源は表−7.5に示した通りD−1電球(12V25W)であり、灯質は群閃光(毎6秒に2閃光)である。従って負荷条件は

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である。蓄電池への充電効率を0.9とすると、3.0Wの発電出力が必要となる。
?予想発電量について
潮岬のデータに波の回折を計算したデータを、串本港の波データとする。潮岬の波データを表−8.18〜22に示す。
串本港は沖合に苗我島があり出雲と陸続きになっているため、波は苗我島と紀伊大島の間から入射する。串本港の波の入射する方向は南南東であるが、仮にこの方向から波が来る場合でも図−8.6の回折図が示す通り波高比は0.25以下となり、南から波が来る場合は波高比は0.15以下となる(表−8.18の波高周期別度数分布表において最多周期が6〜8秒であるため、中心周期を7秒とすると波長は76mとなる。苗我島と紀伊大島の距離が約150冊であるため、回折図は開口長/波長=2となるグラフを使用した)。表−7.8に示す通り室津港の波向は大部分(約95%)が南〜南南西である。従って波高比を0.15とする。
ここで平均波高が一番低い冬季の波データに対して波高比を乗じて利用波高範囲の出現率、を求めると、表−8.12の通りとなる。

 

表−8.12 波高周期出現率表(冬季:回折後)

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空気室幅を1.8m、奥行1.53m、発電装置台数4台とすると、模型の縮尺率は0.47/1.8=1/3.8であり、ノズル開口比は0.0032×4(1.8×1.53)=1/215となる。最多出現周期が6〜8秒であるから、波の中心周期を7.0秒とし、模型での適用周期をフルード則により7.0/√3.8=3.59とする。空気室効率、発電出力等は表−8.13〜8.14の通りとなる。なお、防波堤の垂線の方向は東であり、波の来る方向の南南東に対して約67.5°傾いている。
予想発電出力は1.8Wとなる。この空気室及び発電装置を2組使用すれば合計3.6Wとなり、必要発電出力の3.0Wに対して1.2倍の安全率を持つ。従って空気室の大きさを幅1.8m、奥行1.53m、装置台数を4台、この空気室及び発電装置の組み合わせを2組使用するとする。

 

 

 

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